「社会を変える」から「社会をつくる」へ
地方に起業家を送り育てるNext Commons Labの林 篤志さん


 日本経済の低迷が言われて久しい。「失われた10年」が「失われた20年」になり、さらに「失われた30年」になるとかなったとか言われ、わが国は出口の見つからない迷路をさまよっているかの言説が飛び交っている。
 ところが、本稿で紹介する林篤志さん(33)は、好景気を知らない世代であるが、景気の低迷を感じることもないという。本誌の読者には、古き良き時代というと昭和30年代を中心とした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の時代を思い起こす人が多いと思うが、林さんの世代からすれば映画の中のフィクションの世界でしかない。「何かが失われた」という感覚より、スマホやパソコンも安価で手に入る便利な時代という認識のほうが強いという。
 とはいえ、林さんは今の時代が限界に近づきつつあるという感覚も持っている。そこで掲げているのが「ポスト資本主義の具現化」なるフレーズだ。では新時代の新社会システムを作り上げるのかと問うと、資本主義を否定するつもりは毛頭ないという。現状のシステムでは補えないものを小さくたくさん作ることで、みんながより幸せになる社会づくりを目指しているとのこと。林さんの実践と視線の先にあるものを伺った。
橋本正法(NPO法人地域交流センター代表理事/東神田支局長)