特  集

【熊原保の求人メッセージ】

福祉の世界で働きながら、元気なまちを一緒につくってみませんか

                       優輝福祉会 理事長熊原保

  私どもの優輝福祉会については『かがり火』の前号で「地域づくりのポンプ役を果たす福祉施設」として紹介していただきました。記事にあったように私は福祉を弱者救済という視点からではなく、生まれ育った土地で一生を終えたいという利用者の願いに応えたいという思いでこの仕事に取り組んできました。福祉に関心の薄い方は、老人や障がいのある人たちをかわいそうな弱者と見る傾向がありますが、それはとんでもない誤解です。テレビで老人施設が紹介される時は、寝たきりの老人や自分で食事を取れない人などを放映するので、弱者のイメージが強くなるのですが、うちの施設をご利用している人の中には、まだまだ体も頭もしっかりしていて自分のことは自分でできる個性豊かな人たちもたくさんいらっしゃいます。行政が発表するデータから福祉の現場のリアリティーを理解できるものではありません。

優輝福祉会の施設は機能別に広島県北地域の13カ所に分散しています。施設をご利用いただいている高齢者は500人、障がいのある方は150人、この人たちをケアするスタッフが300人です。従業員数からいえば地域の大企業であり、財政的にも優良企業と自負しております。過疎地域でいちばん元気でにぎわっているところは福祉施設と言えなくもないのです。

これだけの施設を有していると、スタッフの職種もさまざまです。入所者の日々の生活をお世話する介護職、厨房で食材の仕入れや調理をする料理人、お菓子づくりを専門にするパティシェ、施設の空調や給排水の修理人や衛生管理人、利用者を自宅まで送迎する運転手、手続きや行政機関との折衝をするデスクワーカー、さまざまなイベントの企画などを立案する人など、多岐にわたります。

今回、募集するのは主として山仕事です。福祉施設で山林業は珍しいと思いますが、いま私どもは間伐材を利用して、それを燃料にする自然エネルギープロジェクトに取り組んでいます。この作業に、障がいを持つ人たちと一緒に取り組んでもらいたいのです。もしご結婚なさっている方なら、男性は山に入ってもらい、奥さまは介護の現場で働く共働きも可能です(ご希望ならこの反対でも構いません)。

 採用に当たって資格は問いませんが、「聞く力」だけはお持ちの方を希望します。利用者の方々が何を話したいのか、何をしてもらいたいのかを聞き取る力は非常に重要だからです。といっても特別に難しいことではなく、利用者の方々に温かいまなざしが持てる人ということです。

 これまで地域活性化、まちづくりは行政が中心になってきました。私はこれからは福祉施設が核になるだろうと思っています。もちろん役場の役割は重要ですが、何かを実行したり決定するまで時間がかかります。さまざまな法律や条例に縛られ、首長が決断しても議会の承認を得なければなりません。優輝福祉会は、これは面白い、やってみようと決めればその日からでも実行できるスピード感があります。

現在、政府がCCRCを検討する有識者会議を立ち上げています。これはContinuing Care Retirement Communityの訳で、「継続的なケア付きの高齢者たちの共同体」というアメリカで生まれた概念です。従来の高齢者施設等は要介護状態になってからの入所、入居が通例だったのに対し、CCRC構想では高齢者は健康な段階から入居し、できる限り健康長寿を目指すことを基本にしています。従来は施設の利用者はあくまでもサービスを受ける人として受け身的な存在でしたが、この構想においては地域の仕事や社会活動、生涯学習などの活動に積極的に参加する主体的な存在として位置づけられています。これまで高齢者だけで居住していたものを、地域社会に溶け込んで、地元住民や子ども・若者などと多世代交流、協同するオープン型の居住が基本になっています。

日本の場合は、東京圏でこれから急速に高齢化が進み、2025年までに75歳以上の後期高齢者が約175万人増えることが見込まれています。こうなると医療介護の人材不足が深刻になり、地方からの人口流出に拍車が掛かる可能性も高いのです。これに対応するために長年医療介護サービスを整備してきた地域で、増え続ける空き家も活用して、地方へ人の流れをつくることが検討されています。

 私は国がこのようなテーマに取り組むはるか以前から、福祉施設がこれからのまちづくりの中核になるだろうと考えていました。『かがり火』前号で紹介していただきましたように、私どもは保育園を有し、農家と提携して野菜の直売所を運営し、地域通貨も発行して、地域循環型の社会を目指しています。

 もう一つ、私どもの庄原地区には他の市町村にない強みがあります。まちづくりグループの草分けともいうべき「過疎を逆手にとる会(現在は逆手塾と改称)」の発祥の地ということです。自分たちの住むまちを何とか元気にしようと頑張っている面白いおじさんやおばさんが多いのです。ベストセラーになった藻谷浩介さんの『里山資本主義』でも紹介されていますが、精神的に若々しい()齢者(・・)が多いのが自慢です。私もこのグループの創立時からのメンバーですが、地元の住人と福祉施設のコラボレーションは新しいまちづくりの主役になると確信しています。

私どもの施設は広島県の過疎地域ではありますが、広島市内までJR芸備線で1時間半、尾道までは車で1時間半、日本海までも1時間半、周辺は自然に恵まれ変化に富んだエリアです。確かに東京の六本木や渋谷のような繁華街はありませんが、都会にない楽しみもいっぱいあります。田舎暮らしの醍醐味を一度味わったら、とても都会の雑踏の中では暮らせなくなると思います。

 読者の皆さんやお知り合いの中に、地方移住を考えている方、あるいは都会の大組織の中で耐えられないようなストレスを感じている方がいらっしゃるならば、こういう世界もあることも知っていただきたいと思います。そして私どもと一緒に新しい仕事、新しい地域社会を創り出してみませんか。皆さまからのお問い合わせを待っています。

                         優輝福祉会理事長 熊原保

 問い合わせ先 社会福祉法人 優輝福祉会 ゆうしゃいん (担当:若井)

       〒727-0007 広島県庄原市宮内町美湯1353

       TEL 0824750310 FAX 0824731050

E-mail youshine@yuukifukushikai.com

 

 

写真キャプション

 

 柔軟な精神で福祉の可能性を開拓してきた熊原保さん。

 

 永六輔さんは熊原さんの住む惣領町と優輝福祉会(ゆうしゃいん)の応援団だった

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